こんにちは。エキゾチックアニマル専門治療と統合医療の、キキ動物病院です。

スタッフを教えていると、ふと出てきた言葉があります。

「お前の限界はそんなもんか」

これは、今から14年前に、ある人に叱られたときの言葉です。それ以来、私の座右の銘となっています。

15年前の私は、獣医大学を受験するべく、フリーターをしながら勉強していました。フリーターをしながら?ということが、おかしいと思われる方も多いと思います。

そうなんです。
それが分からないほど、甘い子供でした。

努力はしないけど、プライドだけはある。

要領は良い方だと思っていたので、アルバイトの帰りに本屋によって参考書の立ち読み。これで獣医大学は合格すると本気で思っていました。

筆記問題は割とよかったのですが、センター試験は、ぜんぜん点数がとれませんでした。

(センター試験で高得点を取る為には、時間を決めて実際手を動かして、時間内に解くという練習が必ず必要になります。点数とれないのも当たり前ですね。
それが当時は分からないほど自分を過信していたのです。)

そして、獣医を諦めて理学療法の道を歩もうと、理学療法の専門学校の先生に話を聞きに行きました。

(当時、進学校出身であれば、理学療法の専門学校には推薦で入学できたのです。)

その先生は理学療法の仕事の概略、仕事の実際(勤務時間、収入、独立後の人生など)を分かりやすく教えてくれました。

それだけで話は終わりませんでした。

・・・

「君は、大阪府立大学の獣医学科を目指していたと言っていた。

実は私も20年前はそうだったのです。当時、3浪して合格しなかったので、あきらめて理学療法の道に進みました。

だけど、今でもその決断を後悔しています。なぜあの時もっとがんばれなかったのかと。

君は重度のアトピーに苦しんでいるね。

持病を持っている人はメンタルが弱い人が多い。なぜなら、そこに逃げるからだ。

君は勉強、もっと言うと、努力できないのはアトピーのせいだと考えることはないか。アトピーは痒みで集中力が途切れてしまう。

実は、私もアトピーで受験時に苦しんだから分かるんだ。アトピーでなければ、堂々としていられれば、自分の能力はフルで発揮できてもっと成績は上がる。そう思っていないか。」

・・・

恥ずかしくて死にたくなりました。本当に先生のおっしゃる通りだったからです。

さらに先生は続けました。

・・・

「諦めるのは全力を尽くしてからでいいのではないですか。

本当に全力を尽くしたのですか?それがあなたの100%ですか?

結果がどうあれ、100%の努力をすれば後悔はしない。だけど、99%の努力であれば、長い人生、後悔が付きまとう事になる。

最後に1年、君の100%を見せてくれませんか。」

・・・

それから一年後、念願の獣医学科に合格しました。

その一年間、ずっと頭にある言葉を反芻していました。

その言葉とは

「お前の限界はそんなものか」

限界とは能力や成果の事ではなく、自分の努力の事。自分がどれほどギリギリの努力ができるのか。結果は問わない。結果はどうあれ、自分の限界を見る事ができたかどうか。それを心に決めて受験に臨みました。

その一年だけは正直言って合否はどうでもよかったのです。

不思議な感覚ですが、受験当日には2つの感覚が同居していました。結果はどうでも良いという感覚。もう1つは、なぜか分からないけど、絶対に合格できるという感覚。

そこで非常に大事なことを学びました。常に結果はどうでもいいこと。それよりもできる事をしたのかどうか。できる事をしたのであれば、結果については改善の余地はないし、後悔はしない。

「お前の限界はそんなものか」

それ以来、この言葉は私の精神的支柱の1つとなりました。

この言葉は辛いとき、逃げ出したくなるようなときほど、呪文のように何度もつぶやきます。

夢に向かって頑張っている人。
世の中の冷たい現実を変える為に頑張っている人。
理想の世界を実現するために頑張っている人。

「お前の限界はそんなものか」

と思うことで、自分の信念を貫く力が沸いてくるかもしれません。

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